電車蓄電池、開発 ジェイテクトとＪＲ東 - 中日新聞

　トヨタ自動車グループの自動車部品大手ジェイテクト（名古屋市）が、電車向けの蓄電システムをＪＲ東日本と共同開発した。走行時に発生する電力をためて有効活用することで、電力使用量を削減。災害時に電力供給が止まった際には、バックアップ用電源としても利用し、最寄り駅など安全な場所まで乗客を運ぶことも想定している。

　ＪＲ東日本の車両に搭載されるのは、八五度まで耐熱性能がある蓄電池。従来の一般的な蓄電池では、六〇〜七〇度を超えると蓄電しても十分な出力を得られなかったが、それを超える高温の電車内でも効率的に稼働するのが特長だ。

　ジェイテクトは本業である電動パワーステアリングの補助電源用などとして蓄電池の開発を手掛け、二〇一七年以降、ＪＲ東日本と車両搭載用システムの共同開発を開始。ブレーキをかけた後、惰性で回転する車輪のエネルギーを電気として蓄える技術を完成させ、実用化にめどを付けた。

　ＪＲ東日本は、三〇年度までに鉄道事業のエネルギー使用量を、一三年度比で２５％削減することを目指している。今回の蓄電システムの導入により、上り坂など車両に高い負荷がかかる時のエネルギー源として使えば、省エネ効果が期待できる。

　災害時の活用事例としては、山間地を走行する路線で電力供給が滞るケースなどが挙げられる。復旧に時間がかかる場合も多いが、蓄電システムにためた電力で自力走行すれば、短時間で乗客の安全を確保できる。ジェイテクト担当者は「世の中の役に立てるよう、実用化を前提に開発を続ける」と話す。

　長野、新潟県を走る信越線などで使われるＥ１２９系車両への搭載を想定した試験で、耐熱性や振動に対する強度などを確認した。

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January 21, 2020 at 03:01AM
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