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国立大への寄付増加 名大、2割増の3億6000万円 - 中日新聞

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 個人や企業による国立大への寄付が増えている。寄付で支援する事業内容を選べたり、税制上のメリットを得られる仕組みが整ってきたりしたことも一因だ。二〇一九年に創立八十周年を迎え、積極的に寄付を募った名古屋大でも、現金の寄付は一九年末時点で前年度の二割増となり、この五年で最多の三億六千万円が集まっている。背景を探った。

 「名大の起業家教育が盛んになってほしい」。高齢者向けデイサービス業「ミライプロジェクト」(名古屋市東区)を営む牧野隆広さん(51)は、名大の卒業生。四年前から名大発ベンチャーの仕事に関わり、資金面でも応援したいと毎年寄付している。

 名大では二〇〇五年度に名古屋大学基金を設け、大学全体への寄付を受け付けていた。しかし青色発光ダイオード(LED)の研究や医学系の人材育成支援など、自分が応援する事業に寄付したいとの声があったことから、一六年に目的を限定した特定基金=表=を新設した。

 牧野さんは特定基金の「大学発ベンチャー応援事業」に、経営する会社から寄付している。「会社の活動経費として認められ、社会貢献にもなる。毎年継続して百万円以上寄付できるように会社の業績を維持し続けたい」と語った。

 寄付は現金だけでなく、株式や土地などでもできる。一八年度の税制改正で、こういった現物資産を国立大に寄付しやすくなり、相談件数も増加。名大では一八年度、約十五億八千万円の寄付を集めたが、約八割を現物資産が占めた。

 名古屋市港区に住む六十歳代の会社経営者が寄付したのは、市内の分譲マンションの一室。長年物置として使っており「身辺整理しようと思ったことが、寄付の出発点」と明かす。

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 売却すると数百万円ほどだが、手直しの費用がかかる。悩んでいた時に大学に寄付する方法があると知った。「国立大が資金繰りに苦労していると伝え聞いていた。有効活用してもらえれば良いし、寄付で節税できるのもありがたい」

 名大は、二〇年が豊田講堂ができて六十年、二一年は名大前身の仮病院・仮医学校が設立されて百五十年と節目の年が続き、二一年度末までに基金総額二百億円を目指す。

 木村彰吾・基金担当理事は「大学は未来を担う人材を育て、人類が抱えるさまざまな課題を解決するために研究する組織。ぜひ物心両面で応援いただきたい」と話した。 

◆減る国運営交付金 税制優遇で伸びる

 各国立大では、寄付の目標額を決め、専門の部署を設けるなど寄付集めを活発化させている。

 背景には、国からの運営費交付金が削減され、大学の財務が苦しくなっている状況がある。寄付は外部から資金を得る有効な手段の一つ。国も、修学支援を目的にした寄付の税額控除や、現物寄付のみなし譲渡所得税の非課税条件を緩和するなど、寄付のしやすい環境をつくって後押しする。

 文部科学省によると、全国立大への寄付金受け入れ総額(現物寄付を除く)は2018年度が895億円。05年度の686億円に比べて3割増になっている。

 (芦原千晶)

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February 22, 2020 at 02:00PM
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