KNNポール神田です。
■24時間で3.7万人から300円ずつ1,120万円の寄付を集めた『PayPayきせかえ寄付』
すでにリポートしている『PayPay』の着せ替えキャンペーンによる寄付は、2020年3月16日（月）時点で1,585万8,600円（5万2,862人×@300円）集めている。
24時間で3.7万人から300円ずつ1,120万円の寄付を集めた『PayPayきせかえ寄付』
https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20200312-00167428/
■facebookでも寄付の表示がおこなわれている
facebookでも寄付キャンペーンがはじまった。寄付をしている知人が表示され、5万2,861人とほぼ、PayPayの着せ替えキャンペーンと同数の人数を獲得している（2020年3月16日時点）。
facebookの場合、知人が『いいね！』している広告などもよく表示されるので、仲の良い人の真似をする『ミラーリング効果』を狙っています。また、同時に、知人が寄付をしていることを可視化できるので、時流に乗りたくなる『バンドワゴン効果』も狙われている。
さらに、クリックすると、うっすらと『6,000円』という金額が見えて、なんとなくそれくらい寄付しなければいけないのかという、『価格誘導効果』も狙っているのがわかる。
そういう、他人とは同じ行動を取りたくない『スノッブ効果』的思考の筆者は、『100』円という金額をPayPalで支払うという意思決定を行った。
すると、どうだろう…。
突然、エラー表示がでてきて、『￥550〜￥59,581の金額を入力してください。』と表示された。
■100円を寄付したら受付けられない…理由は何？
いつも無償で愛用させていもらっているfacebookだが、この寄付の550円未満は拒否するのであれば、最初から5ドルから受け付けると表記しておくべきではないだろうか？
寄付には、『他人のためにお金を使う方が、幸福度が高まる』という心理的な法則性がある。たとえ、100円でも、寄付によって、幸福度を高めたいと思っていた、筆者にとっては、『￥550〜￥59,581の金額を入力してください。』の文字を見たとたん…そんな気持ちが消え失せてしまった。
かつて、アメリカのホームレスにポケットにあった1セントを2枚あげたら、こんな安い金額いらないと投げ返されたことを思い出した…。まったくその時と同じ心理状態だ。
寄付を募り、WHOの1,000万ドルマッチをおこなうのはとても良いことだと思う。ただ最初から550円以上でないと受け付けられないのであれば、そのように記述しておいてほしかった。善意の寄付をすることによって、幸福度がガクンと落ちる経験を生みだしてしまっているからだ。
■同じ寄付でもやり方を選べば、もっと幸福度が増す
PayPay着せ替えでも支援している 『認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパン』はとても上手だ。あの、物言う投資家の村上ファンドの村上世彰氏が、作る一般財団法人村上財団が寄付金上限は3,576万円を拠出し、【寄付が2倍】新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急支援活動を展開している。つまり寄付された金額の2倍までを3,576万円までを上限に拠出するので、7152万円まで寄付を募ることができるのだ。この活動で、筆者はNPO支援の村上財団の活動を初めて知り、村上氏のイメージが変わった。
かつて、スピルバーグの『スターライト・チルドレンズ財団』は、『STAR WARS エピソード1』に行列した人数分だけの寄付募金を集めるというキャンペーンを行い話題となった。
□児童の難病支援活動を行うスターライト財団に対して、行列の人数分がスポンサーから財団に寄付が募るという仕組みをとりいれたのだ。これによって、単に映画の『スター・ウォーズ』に一ヶ月以上も並ぶことの意義に理由がつけられ、行列そのものが社会貢献活動となり、異例の大行列となったのである。また、マスコミが、その行列を伝えることにより、『スターウォーズ』の話題ともあわさり、行列することが現在の「ジェダイ」の証しとなったのだ。
ほんの小さな事だが、『寄付』をすることによって、幸福度が増し、寄付された人たちにできるだけ、目減りすることなく速やかに届くことを願う。そのためにも『寄付』の世界にはまとめてドーンというよりも、少なくても、自分で支援した人たちが、今、どうなっているのかがもっとわかるトレーサビリティーももっと必要だと思う。そう、寄付して終わりでは意味がないのである。そう、ブロックチェーン技術なども相性が良さそうだ。
そういった意味では、『kiva.org』の活動はとてもユニークである。すでに16年の年月が経過しており、筆者の5,000円の飲み台分だけの寄付だが、世界の人たちの起業に貢献できている。銀行から借りられないない人たち向けの融資活動を寄付のようなスタイルで集めているからである。そして、自分の支援した人たちもわかる。貸し倒れもあるが世界で自分のお金がまわっていることがわかるだけでも幸せな気分になれる。
たかが100円、されど善意の100円。
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March 17, 2020 at 09:00AM
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『100円寄付』をしたら断られた新型コロナウィルス『キャンペーン』のありかた（神田敏晶） - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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