米、カナダとの国境を閉鎖新型コロナで貿易は継続 - 日本経済新聞

米国とカナダの国境=ロイター

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は18日、カナダとの北部国境を一時的に閉鎖すると発表した。不要不急の往来が対象で、モノのやり取りなど貿易は続けるという。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ狙いとみられる。米国を訪れる外国人のうち陸続きのカナダからの入国が最も多い。ビジネスや観光など経済への影響が一段と広がりそうだ。

トランプ氏はツイッターで「互いの同意に基づき」と指摘しており、カナダ側も米国民の入国を原則認めないとみられる。カナダ政府は16日、外国人の入国を禁じると発表したが、米国民は当面対象外にしていた。通勤者の扱いなど詳細は近く発表される見通しだ。

米・カナダ国境の結びつきは強い。米商務省によると、2018年のカナダからの米国訪問者は2148万人と国別で最も多く、全体の27%を占める。自動車や鉄鋼など産業が一体化している地域が多く、「ナイアガラの滝」など観光資源も共有する。

国境閉鎖による経済への悪影響は大きいが、感染拡大を止めるには人の往来をなくすことが不可欠と両政府が判断したもようだ。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国、カナダの感染者はそれぞれ約6500人、約600人に上っている。

米政権は新型コロナの感染拡大を防ぐため、中国、イラン、欧州からの外国人の入国を禁じている。メキシコとの南部国境の閉鎖も検討している。欧州連合（EU）などと同様、人の往来を制限する動きが鮮明になっている。

2020-03-18 13:49:44Z
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