今春に米ニューヨークで開かれる核拡散防止条約（NPT）再検討会議に合わせ、長崎の女性被爆者の半生を題材にした合唱組曲を歌う「平和の旅へ」合唱団が、国連のロビーで公演する。被爆者ら約60人が参加予定で、合唱団は渡航費などの寄付を募っている。長崎市の佐藤由美子団長（68）は「被爆者の思いを世界に届けるために協力を」と呼び掛けている。
長崎の女性被爆者の半生を題材にした合唱組曲を練習する「平和の旅へ」合唱団のメンバーら（16日、長崎市）=共同
合唱組曲「平和の旅へ」は1985年、地元の音楽家らが、長崎で被爆し、語り部として核兵器廃絶運動の先駆けとなった故渡辺千恵子さんに取材して制作。16歳で原爆に遭って下半身不随となり、原爆症で苦しみながらも平和運動に希望を見いだす姿を8曲の合唱と、7編の語りで表現した。全体で約30分間。
合唱団はこの年に発足し、修学旅行生への披露を中心に、国内外で公演を重ねてきた。
国連公演には長崎県の30～90代の約45人と、長野県や佐賀県などの約15人が参加予定。渡航費などの自己負担は1人約46万円で、機材の使用費や楽器の輸送費などにも約100万円を見込む。
合唱団はNPT再検討会議初日となる今年4月27日（日本時間28日）の昼休みに、国連職員や各国要人の前で平和の旅へを歌うほか、現地の高校や反核集会でも披露する。米国の平和運動家が2018年11月、長崎市で開かれた核廃絶を求める市民集会で合唱団の歌声を聞き、関係者に働き掛けて公演が決まったという。
佐藤団長は「核廃絶を訴えて世界を変えるという、被爆地の責任を果たしたい。ぜひ温かいご支援をお願いします」と話している。〔共同〕
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January 30, 2020 at 08:10AM
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被爆者の思い、歌で世界に NPT公演へ寄付募る - 日本経済新聞
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