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絵画寄付、掛川の美術館展示 浜松の横山さん - 中日新聞

横山香葡さんが描いた「ノートルダム大聖堂」=掛川市掛川の市ステンドグラス美術館で

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 十九世紀のフランスやイギリスのステンドグラスを展示する「掛川市ステンドグラス美術館」の入り口近くに一枚の絵が飾られた。浜松市城北小学校四年、横山香葡(かほ)さん(10)が描いたノートルダム大聖堂の水彩画。「傷ついた大聖堂を助けたい」。そんな思いが込められている。同館は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館中だが、十一日に再開を予定している。

 昨年四月、フランス・パリを象徴する世界遺産「ノートルダム大聖堂」で大規模火災が発生し、尖塔(せんとう)や屋根が崩落した。火災のニュースを見た日、香葡さんは学校の図書室で借りていた小説「ノートルダムの鐘」を読み終えたところだった。外見による迫害を受け続けた主人公が、最後は争いのない平穏な生活を取り戻す物語。舞台となった大聖堂を身近に感じ、優しさや希望を持つことの大切さを感じたばかりだった。

 世界各国から多くの寄付が大聖堂に集まる中、「私も何かしたい」と思いついたのが大好きな絵を描くことだった。

近藤智枝さんに習い、絵を描く横山香葡さん(右)=浜松市中区蜆塚の「アトリエオリーブの木」で

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 毎週通う絵画教室「アトリエ オリーブの木」(同市中区蜆塚)の講師近藤智枝さん(53)に助言をもらい、筆を進めた。北と南にそびえる二つの塔と大聖堂を象徴するバラ窓を望む広場に人々が集う。「火災があったことを忘れずに、支援の輪が広がっていったらいいな」

 絵は昨年夏に完成。中日新聞の記事で「掛川市ステンドグラス美術館」が大聖堂のステンドグラス修復のための寄付を呼び掛けていることを知り、お小遣いの千円を添えてこの絵を託した。

 「海外の出来事に思いを寄せて描いた作品を、美術館に持ってきてくれたその行動力に強い意志を感じた」と主任学芸員の池田恵美子さん。絵は大勢の目に留まる入り口で来館者を出迎えることになった。

 掛川市生涯学習振興公社には同館などを通じ、修復のための寄付が一千万円以上、集まっている。

 香葡さんは「今の私に、たくさんのお金や知識はない。でも『ノートルダムの鐘』で読んだような争いや不安がなくなって、みんなが安心して暮らせる世界になってほしい」と願う。この先も、絵筆を握って未来を描いていくつもりでいる。

(久下聡美)

 <掛川市ステンドグラス美術館> 2015年6月開館。掛川市在住の医師鈴木政昭さんが収集した19世紀のイギリスとフランスのステンドグラス約70点を展示する。当地の教会やマナーハウス(貴族の邸宅)の窓を飾っていたビクトリア朝時代の作品を、目線の高さで鑑賞することができる。同美術館の丸窓9枚からなる「バラ窓」は、ノートルダム大聖堂のバラ窓と同じ修復技法が用いられていることなどから、大聖堂の再建に協力する募金箱が3月末まで設置されている。(問)0537(29)5680

 <ノートルダム大聖堂火災> フランス・パリ中心部の観光名所で世界文化遺産ノートルダム寺院(大聖堂)で2019年4月15日夕(日本時間16日未明)、高層部から出火、高さ93メートルの尖塔が焼け落ちた。屋根の3分の2が焼失し、出火から約15時間後の16日午前に鎮火した。正面の2基の塔と、大聖堂の柱やアーチなどの内部構造は無事だった。12〜13世紀に制作された「バラ窓」と呼ばれる3枚のステンドグラスも焼失を免れたと報道されている。火災後、世界中から多額の寄付が集まり、総額8億ユーロ(約950億円)に上る。

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March 02, 2020 at 03:09AM
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