メルカリは8月27日、フリマアプリ「メルカリ」でユーザーが得た売り上げを、自治体や企業に寄付できる新機能「メルカリ寄付」を9月1日にリリースすると発表した。社会貢献を目的とした取り組みで、第1弾では神奈川県鎌倉市と愛知県瀬戸市への寄付を受け付ける。自治体は、受け取った寄付金を災害対策などに活用するという。
メルカリ寄付は、メルカリの売り上げ金などからスマートフォン決済サービス「メルペイ」に残高をチャージし、寄付する対象を選んで電子マネーで支払う仕組み。寄付できる金額は1円から100万円までで、ユーザーがアプリ上で設定できる。
メルカリは4〜5月、ユーザーからの出品1個につき10円を、生活困窮者を支援する9団体に寄付するプロジェクト「Stay Home & Share Smiles」を実施。約55万人から総額4700万円の寄付金を集めた。この活動を機に、社内や自治体、ユーザーから寄付機能を求める声が複数あったことから寄付機能の追加に至ったという。メルカリは「新たな社会貢献の形ができる」と期待を寄せる。
第1弾の対象に鎌倉市を選んだ理由は、災害時の支援や寄付に関する包括連携協定を2019年8月から結んでいるため。瀬戸市はメルカリの山田進太郎CEOの出身地であり、縁があるからだとしている。
鎌倉市の松尾崇市長は記者発表会で、19年に台風で約10億円の被害があり、20年はコロナ禍の影響を受けている市の財政状況に言及。「緑豊かな環境や文化財を維持するには、多くの人の思いを乗せた支援が欠かせない。メルカリは若い人が多く利用するサービスなので、寄付をきっかけに若い人にも地域貢献に関心を持ってほしい」と話した。
瀬戸市の伊藤保徳市長は「(コロナ禍での)新しい生活様式では新しいセンスが必要。若い世代、次世代を担う子供たちに投資していきたい」と述べた。
メルカリの田面木宏尚取締役は「コロナ禍において、メルカリが社会から必要とされる企業になるために、できることはまだまだある。これからも寄付先を積極的に拡大していきたい」と意気込んだ。
メルカリは現在、専用の問い合わせページを設け、寄付を希望する自治体・企業を募っている。
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