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トランプ氏、選挙優先 リスク抱え退院強行 - 日本経済新聞

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ホワイトハウスに戻り、ポーズをとるトランプ米大統領(5日)=AP

ホワイトハウスに戻り、ポーズをとるトランプ米大統領(5日)=AP

【ワシントン=永沢毅】新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が5日夕、入院先の施設からホワイトハウスに戻った。1カ月を切った大統領選の選挙活動を優先し、退院を強行した。コロナ対策が再び選挙戦の中心に浮かんできた。

5日午後6時半すぎ、トランプ氏を乗せた大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」は首都ワシントン近郊の入院先ウォルター・リード軍医療センターを出発し、ホワイトハウスに向かった。この直前にトランプ氏は「すぐに選挙活動に戻るぞ!!!フェイクニュースはウソの世論調査ばかりだ」とツイッターに投稿した。

入院先の軍施設の前にはトランプ氏の支持者ら数百人が集まった。支持者らはトランプ氏の退院に歓声をあげた。米政治専門誌ポリティコによると、支持者らは「トランプは神から送られた!」との看板を掲げており、トランプ氏の陣営がピザや水を差し入れた。

これに先立ち、記者会見した主治医のショーン・コンリー氏ら医師団はトランプ氏の症状について「危機を脱していないかもしれない」と話した。トランプ氏は2日未明に発症を明らかにし、同日夕に入院した。

重症患者向けの投薬を繰り返していたのに、入院は3日間と短い。民主党系の政治アナリスト、アーニー・アーネセン氏は「トランプ氏は感染拡大の張本人だ。ホワイトハウスで感染が広がるなか、いま帰還すれば職員をさらなる感染のリスクにさらす」と批判した。

ホワイトハウスでは5日、新たにマクナニー大統領報道官ら3人のスタッフの感染が判明した。トランプ氏には簡易検査で陽性反応が出た事実を隠し、周辺も口止めしていたとの報道もある。政権のコロナ対策や危機管理のあり方が問われる。

トランプ氏は4日、ペンス副大統領やポンペオ国務長官ら政権幹部と安全保障を巡る電話協議を開き、その写真を公開した。大統領の執務の継続に支障がないことを訴える狙いとみられるが、入院先でも執務ができるならば「ホワイトハウスに戻る必然性がない」との指摘も出かねない。

早期の退院は選挙戦を意識したものとみられる。トランプ氏の入院が長期になれば、支持者に印象づけようとしてきた「強い指導者」のイメージが崩れかねないからだ。選挙広告では移民や対中国で民主党候補のバイデン前副大統領を「弱腰」と決めつけ、自らをタフだとアピールしてきた。

トランプ氏の感染により、コロナ対策が再び大統領選の争点になる。同氏は「コロナに打ち勝った大統領」を打ち出すとみられるが、重視する選挙集会をいつ再開できるかはわからない。世論調査でバイデン氏の支持率はなお堅調だ。東部デラウェア州の自宅にこもっていたバイデン氏は激戦州を連日、訪れている。5日は激戦州の南部フロリダ州に足を運んだ。

15日には南部フロリダ州マイアミ、22日は同テネシー州ナッシュビルで大統領候補のテレビ討論会を控える。トランプ氏は出席に意欲を示しているとされるが、90分間も討論できるかどうかははっきりしない。

「コロナを恐れるな。コロナに人生を支配させてはならない」。トランプ氏はツイッターでつぶやいた。米国での死者が世界最多の20万人台を超えるなか、「コロナのリスクを過小評価している」との批判もある。

バイデン氏は5日の演説で「大統領の早期の回復を祈るが、危機の収束はほど遠い。大統領は科学者に耳を傾けないといけない」と語った。トランプ氏の感染でいったん落ち着いた両候補の舌戦が再び熱を帯びてきた。

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