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リンゴ復興へ恩返しの宴 長野のプロジェクト 寄付者に信州産ディナー - 信濃毎日新聞

 台風19号による千曲川氾濫で被害を受けた長野市北部の農業復興を目指す「長野アップルライン復興プロジェクト」が7日、被災農家のリンゴをはじめ信州産の食材を使ったディナーを振る舞うイベントを開いた。国内外の料理人が同市のレストランに駆け付けて腕を振るい、趣旨に賛同して活動資金を寄付した人たちが舌鼓を打った。

 プロジェクトは、畑が浸水した同市赤沼のリンゴ農家徳永虎千代さん(27)が代表を務め、市内の若手自営業者らが昨年10月下旬に結成。インターネット上のクラウドファンディングで活動資金を募り、全国の1039人から1149万円余が集まった。イベントは寄付者への返礼として9日まで3日間にわたって開き、応募した計73人が復興への願いを込めた料理を味わう。

 今回のイベントにはフランス在住のフレンチシェフ神谷隆幸さん(41)をはじめ、北佐久郡軽井沢町や東京、神奈川のフランス料理やイタリア料理のシェフが協力。この日は、リンゴ入りのマスタードを添えた信州大王イワナのミラノ風カツレツ、信州プレミアム牛肉の蒸し焼き、リンゴの薄切りを重ねて焼いたデザートなどがテーブルに並んだ。

 神谷さん自身も、被災農家からリンゴを買った人に、SNS(会員制交流サイト)を通じてリンゴの菓子のレシピを教える活動をしてきた。被災農家の食材を使うことが復興につながると考えており、「信州の食材のおいしさを伝える機会にしたい」と話す。

 プロジェクトでは復興事業として加工品開発に取り組んでおり、被災農家のリンゴを使ったシリアル「グラノーラ」の開発に着手。さらに長野市のタピオカドリンク専門店とタピオカ入りのりんごジュースも共同開発し、今月中に販売する予定だ。徳永さんは「活動の目的は『創造的復興』。担い手不足など、災害以前から抱えている農業分野の課題を解決していきたい」と話している。

(2月8日)

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February 08, 2020 at 06:46AM
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