新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ものづくりのまちで知られる大阪府東大阪市の企業が感染対策などの製品開発を進めている。テレワークになじまない製造現場ならではのアイデアが商品に結びつく例もある。大手企業の受注に頼る企業も多いことからコロナの影響による受注減というリスクを抱えるが、技術とアイデアで新型コロナ対策に一役買おうと知恵をしぼっている。 （西川博明）
紙管メーカーの知恵
大阪市の中小・ベンチャー企業を支援する拠点「大阪産業創造館」（大阪市中央区）の会議室に、透明の間仕切りが置かれている。幅６０センチ、高さ４５センチのパネルを紙製のスタンドで支えるシンプルなつくりだが、飛（ひ）沫（まつ）を遮る一方、対面相手の表情も見える。同館は「職員の出勤は制限しているが、今後の対応に関する小規模の打ち合わせは増えており、効果を発揮してくれている」とする。
食品用ラップフィルムの紙管から、工業製品を巻き取る芯まで幅広く手がける東大阪市の紙管メーカー「昭和丸筒」が提供した。４月下旬、同社の通販サイトで発売したところ、運送会社や介護施設などから問い合わせが相次いでいる。
発想の転換
新型コロナの感染拡大は、昭和丸筒の業績にも変化をもたらしている。外出自粛を受けて需要が高まる食品包装関連の製品は好調だが、自動車関連、例えばカーシートを巻き付ける工業用の芯は受注減の傾向で、これからも影響は大きくなると身構える。
一方、緊急事態宣言の後もテレワークに切り替えられない同社工場内では、従業員の飛沫感染のリスクも問題となっていた。そこで社員の一人が梱包（こんぽう）材用の同社製品とホームセンターで購入した板を使って間仕切りを自作したところ、社長が商品開発を指示。塩化ビニール板を同市内の樹脂板販売商社から確保し、わずか１０日間で製品化した。
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May 02, 2020 at 09:00AM
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コロナ減産も乗り越えろ 東大阪ものづくり企業の底力 - 産経ニュース
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